今回は自分の一番好きなマンガ「スケルトンダブル」について語っていきたいと思います。
あらすじ
新宿駅東口交差点で一人の男が奇怪な死を遂げた。その男の子供である荒川ヨドミは、8年の年月を経て、平穏な日常を取り戻していたが、ある日「透明人間」と出会い――!?父の死の真相をめぐる透明人間バトル物語!!
魅力①もはや文学 心に刺さる心理描写
はい、ぶっちゃけここが一番ヤバいです。ここが自分が一番好きなマンガという所以です。心に刺さる心理描写なんて言葉が陳腐に思えるぐらいです。もちろん、心理描写は登場人物にどれだけ感情移入できるかなので、個人差がありますが、刺さる人にはとことん刺さると思います。
例として、2話のシーンを見てもらいたいです。このシーンの流れとして、以下のような背景があります。
主人公は8年前父親が謎の不審死を遂げる → その真相に近づいたことで殺されかける →
謎のお姉さんに助けられる → 謎のお姉さんからこれ以上深入りしないように忠告される →
それに対する主人公のセリフ


言葉の力もものすごいが、コマの出し方、絵でそれを何倍にもしています。
1ページ目の最後で「食卓に」で切る →
「誰も座らない椅子がある」でスペースがあって目を引く絵 →
「父の席です」 食卓の温かさとは真逆のがらんとして寂しく印象的な椅子を見せる +
父の席を倒置法で強調 →
「俺はその席を埋めるものが欲しい」 主人公の顔が見えない 期待感が高まり次のページへ からの

主人公の表情が描かれると同時に決意表明
という最高の流れになっています
これ以降の話などはネタバレになってしまうので避けますが、すごくいい描写がめちゃくちゃあります。とりあえず9話まで読んでみてほしいです。あと、20話、21話、26話、32話はマジで最高です。
魅力②頭が良すぎる!予想を裏切る頭脳戦
スケルトンダブルは、いわゆる能力もののバトル漫画です。能力もののおもしろさは、特殊能力をいかに使いこなせるかで決まりますが、スケルトンダブルは確実に読者の予想を上回ってくれます。
よく読者が「この能力こうやったら強いんじゃね?」みたいな、さすがにバランスブレイカーになるから無理やろと言いたくなるエグい使い方が作中でされます。
血の設定を生かしたアクション
スケルトンダブルの能力バトルの肝になるのは、血という設定です。透明人間になった人間は、血と呼ばれる分泌液を出すことができ、その血にあたったところに特別な能力が発動されます。

例えば、血が付いたところをねじ切ったり。ダイヤモンドみたいに固くしたり。はたまた、どこでも〇アを作り出してみたりといろいろできます。
その中で本作最強の能力は、物体浮遊となっています。血のついた物を自由に操るだけの能力ではありますが、血を付着させることで能力を発動させるという制約によって最強となっています。


自分の血を、能力を発動した血でくるんで操り、相手に当てるだけで一方的に動きを封じて無力化。スカートを浮かせて血を防御することもできます。通常であれば防御力がないものでも、いかに血を付着させるかという戦いでは有効になってきます。


他にも、壁や床に血を付着させておいて戦いを有利に進めたりもします。こんな感じで色々戦略を立てて戦っていくのが非常に見ごたえがあります。
全5巻で完結済みです。ジャンププラスで全話無料で読めます。ぜひ読んでみてください。
画像引用:スケルトンダブル/コンドウ十画 集英社
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